名松線全線復旧3周年を記念して - 鉄路の星 公式ブログ
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名松線全線復旧3周年を記念して

本日3月26日に名松線は全線復旧3周年を迎えます。ここで三重県南部のJR線がいかに恵まれたローカル線であるか紹介します。

1,東海道新幹線がない県のJRローカル線でここまで恵まれたのは三重県のみ

三重県ではどの路線のどの駅でも営業時間内であれば3時間に1本は列車が着ます。また廃駅もゼロです。他の地方では列車が10時から17時ごろまでこない路線もあるそうです。更に三重県では地域イベントに合わせてウォーキングイベントを行い、そのための臨時列車も多く設定されます。また学生が午前帰りの日は下校時間に合わせて臨時列車を出します。東海道新幹線が走っている県のうちJR東海エリアである愛知岐阜静岡は初代社長須田さんの「ローカル線を活性化させることで新幹線の利用者を増やせる」という考えが今でも引き継がれているそうです。

2,旧名古屋鉄道管理局、旧静岡鉄道管理局管轄路線以外でここまで恵まれているのも三重県のみ

1を別の言い方をするとこのように言えます。名古屋局と静岡局は国鉄末期に須田さんのもとで地域利用者のニーズに合わせたダイヤ改正を行ない、するがシャトルなどが生まれました。三重県南部は名古屋局管轄ではなかったものの、現在は名古屋局、静岡局の路線に肩を並べるほどに恵まれています。

3,国鉄末期輸送密度が2000人を切る路線で今もJR鉄道線で残っているのは名松線のみ

国鉄末期に多くの路線が三セク化またはバス転換しました。ただし輸送密度が2000人を切る路線でも岩泉線と名松線と三江線はバス転換が困難なのでJR線として残ることとなりました。岩泉線、三江線はすでに全区間廃線となっているので名松線は唯一国鉄末期輸送密度が2000人を切る路線の中で生き残った路線と言えます。

4,JRで唯一沿線負担ゼロのバス転換を目指した

JRが提案した名松線のバス転換の条件には以下のものでした。
運賃は現状を維持し、家城まで鉄道を利用した乗客は通しの運賃で計算する
バス運転はJR東海が行なっていく
と言ったものでした。つまりバス転換にかかる費用はすべてJR負担、バスの運営もJR負担、運賃もそのままという、沿線負担ゼロのバス転換を目指しました。このような例は名松線が唯一です。最終的には自治体がお金を出して鉄道を復旧しましたが、自治体が了承すれば本当に沿線負担ゼロのままこの問題は解決したと思われます。

5,紀勢線は30年間で利用客を減らしていない

紀勢線の多気以南は三重県の中でも特に過疎化が進む地域を通っています。都市部を通るのは亀山~津~多気間の短い区間です。また06年からは紀勢道が少しずつ伸びており鉄道利用客が減少してもおかしくない状況です。しかしながら30年前と現在を比べると利用客は微増しています。これは津~多気間に快速みえ号が走り、利用客を伸ばしているからです。多気以南は利用客を減らしていますが、それでも快速みえでカバーできる分程度しか減っていないという見方もできます。

公式HP
ちなみに名松線復旧も奇跡的と思いますが、「自治体の金で復旧したからJRの方針ではない」という声が多いのであえて別の視点から書いてみました。
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