さらに進む鉄道の縮小 - 鉄路の星 公式ブログ
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さらに進む鉄道の縮小

 12月から1月にかけて各鉄道会社から本数の削減や値上げの話が相次ぎ、将来的なローカル線の廃止についての言及もありました。新型肺炎による利用減少と、利用回復が見込めない中での判断とされていますが、鉄道会社が経営難に苦しむのは、新型肺炎だけではないかもしれません。

増え続ける経費、減る売上
 新型肺炎以外に鉄道経営を圧迫するのは社会のニーズに合わせ得た経費増加でしょう。ここにはバリアフリー化や、警備員の増加が挙げられます。
 最近は鉄道施設内、車内で相次いで傷害事件が発生しています。このため警備員が必要になってきましたが、警備員の人件費が新たに鉄道会社の負担になっています。警備員を増やしても直接売上の増加に繋がるとは言い難いので、経営面でも圧迫されることになり、値上げなどを検討しないといけなくなっていると考えられます。ちなみに高速道路のパトロールは警察官が行っているので税金から負担されていますし、空港の手荷物検査会場も警察が立ち会っているので税金の負担があります。ところが鉄道事業者は警備員や車掌駅員の増員の費用を全て自己負担しているので、他の交通事業者よりも不利な状況であると言えます。
 ちなみに普段の線路や信号設備などの維持、被災時の復旧費用のところを見ても鉄道会社が不利なのは間違いないです。

国鉄民営化は鉄道事業者同士の競合を促したが
 国鉄民営化は中京および関西のJR線の近代化のきっかけとなり、関西大手私鉄及び名鉄のサービス向上にもつながりました。しかし今となっては他の交通手段の事業者との競合の面で、鉄道会社にだけ負担がかかる制度が多くて、不利な状況になっている点が多くなっています。こうして一部の都市圏を除き鉄道が他の交通手段に押されつつあります。
 実際にはテレワークによる地方移転、若者の車離れ、石油高騰によるガソリン代、飛行機代の値上げなど、鉄道の需要が増えてもいい要素もあります。しかしながら税的支援を受けられない鉄道事業者が経営上苦しいので、これまで利益が出るとされた、政令地方都市での都市輸送、新幹線でも値上げと減便が進み、これからさらに鉄道離れが進みそうな状況となってきました。経営の問題の解消のためにJRの地方路線及び経営の苦しい地方鉄道線のうち需要の多い路線は公営化して残すべきかもしれません。




 最後に鉄道ファンの読者さんにメッセージです。おそらくこの先鉄道では「なくなる」話や「(本数や乗客が)減る」話が目立ってきると思います。自分自身も寂しくてやるせない気分になります。とはいえ僕は「失うもの」ではなく、「残るもの」を探してみることにしています。人それぞれ「残るもの」は違うと思いますが、その「残るもの」を大切にすることで自分は落ち込まないで済んでいます。もしよかったら参考にしてください。



Twitterの相互フォローの方ともこの件話になりました。そもそも採算のラインがどこにあるかと言うところへの疑問でした。実際のところ各社公表していませんが2万から4万ぐらいがラインになりそうです。


ところで都市部は黒字なのに、赤字路線の維持のために経費削減しているのではないかと言う書き込みも見受けられました。その通りだと思います。ただ鉄道がもう少し儲かりやすい制度なら、潜在需要がある都市部ではむしろ本数を維持して売り上げ増加による収支改善ができると思います。ところが利用が増えても儲からない制度に陥っているのではないかというのが筆者の懸念している点です。
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twitterとFC2動画、ニコニコでも活動しているいとなみです。またいとなみという名前で学生向けのブログも取り扱っています。そちらもよければ見てください。

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