先週に近鉄の値上げが報道されました。結構な値上げ幅でJRに多かれ少なかれ利用者が流れるのではないかと言われています。しかしながら既に関西線の桑名までと紀勢線の亀山〜松阪間は混雑が目立つ列車があり、本当に利用者がJRに流れると混雑の問題が起こってしまいます。かといい容易に増発や増結が厳しい事情があります。
1つ目:単線である
これは結構世間的に知られていることですね。またこのブログで過去にまとめていますが、関西線は四日市駅が1面2線しかない、退避可能駅が少ないなどで複線化しても増発し難い現状があります。しかしこの点に関しては自治体などが関わることで解決できる可能性はあります。
2つ目:人手不足
人手不足はお金でも解決できない問題だと考えられます。現在JRは50代の人が少ないのが現状です。このため仮に新卒採用を行なったとしても、そもそも指導できる人が少ないと言われています。このためJRでは利用が減少しているところはもちろんのこと、利用が増加しているところでも乗務員不足を原因とした本数見直しが相次いでいるのが現状です。
JRは2015年までは利用客に応じて在来線の大幅な増発が行われたことがありました。しかし2016年以降は増発の事例が急激に減少。今改正では中央西線が10両を8両に変更した兼ね合いで増発しましたが近年では珍しい事例です。
お金かけて人を雇えれば解決という問題であれば、三重県が増発するための人員確保のための費用を援助するのも手ですが、そもそもJRの指導体制の問題は自治体には関わりにくい問題です。
増発できない範囲での利用増加を狙う
増発増車が困難であれば、駅の改良などで、交通弱者が使いやすい鉄道作りを目指すなどそのような方向で現在三重県も動いています。また積極的にJRの魅力をHPに掲載しているなど、利用を呼びかけるような取り組みもしています。
利用が増えれば混雑の問題も顕在化してしまい敬遠される可能性がありますが、混雑が目立つぐらいに利用が増えるまでは、この取り組みを継続していくことで利用増加を狙えると思います。
三重県のJRは南部の路線維持という地域のニーズに応じてきました。もちろんこのために多額の費用を惜しみなくなってきたのは言うまでもないですが、今後は北部中部で近鉄が値上げして流れてくる地域利用者への対応、そして車からの利用回帰を図るニーズに応えることが求められるようになりました。しかし増発にはさらに多大な投資だけでなく、いかに人員育成を行うのかといった課題も解決する必要があり、JRにはかなり重い負担になっていきそうです。
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