これまで利用者の少ない路線も駅も廃止せず10年間は減便すらなかったのが三重県のJR路線でした。沿線側から見れば近鉄のないところはJR、近鉄のあるところは近鉄が地域の足として地域の足として機能している状態でしたので、自治体としても、上下分離された路線を除けば支援することは少なくて済みました。ところがまず今年の春に関西線の非電化区間が見直し対象に入ってきてここへの支援は必要になってきました。さらに近鉄も普通運賃の値上げを発表。確かに近鉄自体がこの新型肺炎の影響と沿線人口減少の影響を受けて、電気代と人件費は上がっているので止む得ない部分もあります。
鉄道会社にも利用者にも経済的に苦しい状況に変わりはない
ただし利用者側にとっても電気代が上がり収入が激減している家庭があるのも事実です。三重県としては利用者にとってどのくらいの負担になるか把握する必要があると思います。ここからは推測ですがこのため近鉄の値上げによって、近鉄で日頃から買い物や娯楽などで使うことが難しくなる人も出てくるでしょう。なお通学定期の値上げは経済的に苦しい学生にとっては影響が出て、通える高校が狭まる可能性もありますが、今回は近鉄の通学定期があまり上がらないので大きな影響は出ないでしょう。
筆者も、これまでは三重県南部の本数の維持をしてくれるのであれば、北勢地区中勢地区の関西線紀勢線の増発がないのは仕方ないという考え方をしていたものの、これからは北勢地区中勢地区でも近鉄を使えない利用者のためにそれなりの増発増結が求められているように感じます。
三重県はJRとの話し合いをよりすべき
この値上げによって、JRには近鉄に並走する区間でも経済的に苦しい人の地域の足として、必要不可欠な存在となってくると思います。少なくともJRには利用客が増えた場合にはそれに合わせた投資が必要となりそうです。具体的には増発増車のために、複線区間延伸や副本線(待避や折り返しに使う線路)整備、育成を含めた人員調整などが必要になります。利用の少ない路線の維持をしつつ、利用が増えている区間への投資をJRによって実現できるかは筆者にもわかりかねますが、公共交通利用促進を目指す三重県にとって、近鉄利用者の動向を見ながら、JRが近鉄利用者を受け入れることになった時はJRのこれからのあり方とJRがどこまで三重県にお金と人を割けるのかをJRと話し合うべきと感じています。
これまでの記事との整合性
昨年秋頃は紀勢線や関西線の一部区間での利用増加と、三重県が公共交通利用促進に関して歓迎する立場を示しました。その筆者がJRの利用が増えようとしていることに対して問題が生じるとここでは書いています。矛盾しているようですが、個人的には車から少しずつ利用が増えることは歓迎です。ただ今回のような並走する路線の値上げでは一気に利用が増え、投資が必要になると考えられるため、受け入れられるか問題だと考えています。
最近関西線に関してTwitterで話題になることも多いので、ここで僕の方からも三重県のJR特集をやることにしています。現時点では6月19日に桑名と四日市の折り返し問題と複線化の費用回収についてまとめて、23日に駅の写真を動画にしていきます。さらに6月26日関西線の仮ダイヤを記事にしようと思っています。
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