関西線複線化の効果と折り返し問題 - 鉄路の星 公式ブログ
fc2ブログ

関西線複線化の効果と折り返し問題

 最近関西線名古屋地区の複線化についてまた盛り上がってきているので、このブログでも改めて関西線の複線化に関する話をまとめていきたいと思います。

複線化で実現できそうなこと
・信号待ち解消による所要時間短縮
・遅延発生時のダイヤ回復力向上
 特に関西線は一度遅延が発生すると遅れている列車の待ち合わせのために対向列車まで遅れが発生して、延々と収まらない傾向があるので遅延解消の効果は大きいです。

増発できると言いたいが、、
 複線化で一番期待できるのが増発ですが、ラッシュ時のさらなる増発は厳しそうなのが現状です。今回のダイヤ改正で名古屋駅の10・11番線を使えるようになったことで、折り返しに余裕が発生してきましたが、桑名駅は折り返しや待避で使う余裕がなさそうです。
桑名3番線
 まずは桑名駅、3番線が副本線として折り返しや待避に使われていますが、10時前と16時以降は折り返しの列車や快速みえの通過まちをする列車が結構入ってきます。(この表の目盛は10分刻み)
四日市1,2番線
 四日市駅はそもそも旅客扱いができるホームが2つしかないのですが、朝の亀山方面と夕方の名古屋方面のホームの使用状況も表にしました。確かに折り返しの列車が入る余地はアリそうです。(この表は2分刻み)
 また貨物列車の待避線は蟹江、永和、弥富、四日市とありますが、同方向の旅客列車の通過待ちができるのは八田と桑名、そして富田のみなので、この点も増発の制約になります。まとめると複線化しても折り返しや通過待ちの制約があるのでなかなか本数は増やせにくいのが現状であるとなります。

複線化費用を30年間で回収するには
 今回は関西線の複線化に必要な費用をJRが全額負担した時に何人使用すれば元が取れるかを試算してみました。関西線の複線化にかかる費用は400億円前後と見込まれます。これは2023年に完成する奈良線の複線延伸区間(14km)にかかった費用が400億円前後で、距離は単線区間が続く笹島信号所〜弥富間の距離にほぼ近いですので、関西線も400億円かかると仮定します。また関西線は定期利用率が7割前後とされるので、今後増える利用者も通勤定期7割定期外3割とします。通学定期は増えないと仮定します。
 まず全線複線化で名古屋桑名の利用客が通勤定期は半年定期45万枚、普通切符が5143万枚売れると400億円に達します。複線化の費用を30年で回収する場合、半期で定期券利用者が7500人増えて、普通運賃利用者も1日4700人(片道)増やす必要があります。続いて名古屋四日市の利用客が半年定期32万枚、普通切符が3750万枚売れると400億円に達します。同じく30年で回収する場合、半期で定期券利用者5300人増えて、普通運賃利用者も1日3400人(片道)増やす必要があります。以上から計算すると複線化の効果で1日利用者は1万人ほど利用が増えたら30年で元が取れます。ただ1万人増やすには増発は必須だと考えますが、複線化では増発が限定的になるのも現状です。
 ちなみに名古屋弥富間のうち半分くらい(八田春田間と蟹江永和間が目安)のみ複線化するのであれば、増やさないといけない利用者も半分ぐらいになります。

 次回は関西線の仮ダイヤをブログで投稿します。



スポンサーサイト



コメント

コメント(0)
コメント投稿
非公開コメント

プロフィール

tetsuronohoshi

Author:tetsuronohoshi
twitterとFC2動画、ニコニコでも活動しているいとなみです。またいとなみという名前で学生向けのブログも取り扱っています。そちらもよければ見てください。

鉄路の星チャンネルカウンター

現在のアクセス数

現在の閲覧者数: