2023年の4月に近鉄は値上げします。また昨年12月にはダイヤ変更を行いました。今回はJRとの競合区間での状況変化をもとに近鉄の強みなどをまとめていきます。
名阪:立地とひのとりが強み 名阪間ではぷらっとこだまの料金が近鉄の名阪チケレス割を使った際の料金より安くなります。また名阪チケレス割は使える列車が年々減っているのも事実です。
2020年までは名阪直通毎時2本と伊勢乗り換え毎時2本で使用可能でした、ただしうち1本は伊勢中川乗り換えの際に名阪直通アーバンライナーに抜かされる列車だったので有効本数は毎時3本でした。2020年以降はひのとりが使用不可になりましたが、名阪直通の毎時1本と、中川乗り換え便毎時2本(うち1本は伊勢中川でひのとりに抜かされます)では使用可能で有効本数は毎時3本を維持します。ただし2021年のダイヤ変更で大阪から伊勢方面の特急が削減されたので、有効本数は毎時2本になっています。ちなみにぷらっとこだまを使える列車は有効本数毎時1本となっています。
それでも近鉄は難波直通の強みがあるほか、値段がかかっても「ひのとり」を選ぶ人はいるのでその辺りが近鉄の強みです。
京都奈良:立地の良さを活かす 京都奈良間では、2022年12月のダイヤ改正で昼間の直通急行が廃止となり、西大寺での乗り換えが必要となりました。一方のJRは3月のダイヤ改正で複線化しました。所要時間の差なども縮んでしまいます。ただ奈良は立地条件について近鉄の方がいいのでその点が近鉄の強みになりそうです。
津〜鳥羽:本数で微妙に有利 津〜伊勢中川間では2018年に急行がこの区間各駅停車となりました。また伊勢中川〜五十鈴川間では大阪線からの直通急行が廃止されました。これにより津〜松阪の有効本数は昼間毎時3本、松阪〜五十鈴川は昼間毎時3本、五十鈴川〜鳥羽間は毎時2本となります。そして津〜松阪〜伊勢市〜鳥羽では今回の値上げで運賃がJRの方が安くなります。(ただし松阪から伊勢市までの区間のみ近鉄の方が10円安いまま)
とはいえJRは津から鳥羽は有効本数が毎時1~2本なのでJRが増発しなければ近鉄の方がわずかに本数が多いままになります。なおこれまで紹介した区間とは異なり津・松阪・伊勢市・鳥羽の4駅は駅の位置が同じです。
名四間:本数削減はなくマンション開発に期待 そして近鉄にとって利用客数維持または増加を見込めそうなのが名古屋線です。この区間に関しては2011年の本数と2023年3月時点の本数がほとんど変わらない区間となっています。さらに減車も急行・普通では行われていません。他の区間は12年や18年、20年以降のダイヤ変更で本数や両数が減っているので、近鉄の中でも将来が見込めそうなのが伺えます。
さらに特急停車駅の桑名・四日市付近や急行停車駅の富田付近では近鉄不動産によるマンション開発が行われているので利用増加を見込めそうな線区です。
近鉄は本数も削減しつつ、値上げを行なっています。今回の値上げで運賃が反転する区間が多いのも事実ですが駅立地の良さや「ひのとり」などを強みすることが鍵となりそうです。また、マンション開発が行われている名古屋〜四日市間で利用を増やせば他の区間での減少分をカバーできるので、名古屋〜四日市間の利用増加は重要なところになるでしょう。
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